会津桐で有名な国産材の桐は、タンス、琴や琵琶の材料としても知られます
国産材の桐は、散孔材に近い環孔材の落葉広葉樹です。生長の早いことでも知られ、名前の由来でも、切ってもすぐに芽を出し成長することから「伐る=キリ」とする説があり、木目が美しいため「木理=キリ」という説もあります。
北海道南部以南において植栽され、会津桐、南部桐などが有名です。日本へは中国から伝わったと言われますが、アメリカにも自生しており、近年ではブラジル、パラグアイ、マレーシアなどでも植栽が行われ、日本に輸入されている外材もあります。
辺心材の区別はなく、くすんだ白色で、髄(樹心)は空洞となります。アクが強く、アク抜きを怠った木材は、年月を経て徐々に黒ずんできます。国産材中、最も軽く、切削などの加工は極めて容易で、そのため強度は劣ります。湿気に強く、割れ、狂いが少なく、研磨すると光沢が出ます。
用途としては、タンスに代表される和家具材、琴や琵琶などの楽器材、箱材、下駄材、木炭など、幅広く用いられます。
かつて日本では、女の子が誕生したら桐を植える、という慣習がありました。嫁入り道具として、娘と共に成長した桐で作ったタンスを持たせるためで、人間の成長サイクルと桐の成長サイクルの適合を知っていた、先人の智慧とも言えます。
熱伝導率が極めて低いため、発火しにくいことから、金庫の内箱材としても使用されています。
出典:IPA「教育用画像素材集サイト」