国産材の栓は樹齢を重ねた年輪幅の狭いものが家具用材として好まれます
国産材の栓(セン)は、木材としてはセンと呼ばれますが、樹木としては枝に刺がある様子から「ハリギリ」と呼ばれています。北海道、本州、四国、九州、朝鮮、中国、ロシアと広く分布しますが、産地としては北海道が有名です。
心材は淡黄褐色あるいは黄白色で、辺材はやや淡色、辺心材の境目は不明瞭。環孔材で年輪ははっきりしており、木目は通直、肌目は粗く、保存性は低いものの加工しやすい木材です。独特の絹糸光沢を持ち、繊維の屈曲が著しいものでは波状杢、縮杢などの杢目を現します。
若い時期に形成された栓の木材は、年輪幅が広く「オニセン」と呼ばれます。年輪内に占める道管の割合が少なく、繊維、細胞壁が多くなるため重硬で、乾燥などで狂いやすくなります。
逆に樹齢を重ねた年輪幅の狭い栓は「ヌカセン」と呼ばれ、より軽軟で加工しやすくなるため、家具用材としてはヌカセンが好まれています。しかし軽軟になりすぎた木材は脆くなり、逆に使いにくくなります。
家具、合板、器具、建築では床板、内部装飾などに使用されています。木目が高級材の欅に似ているので、着色して代替品として使用されることもあります。
栓の合板が「sen」の名前で米国へ大量輸出されたことがあり、一時期、米国市場では有名な輸出材のひとつでした。