耐久性・保存性にも優れたオールマイティーな国産材・桧
建材としても有名な国産材の桧は、日本固有の樹木で、本州中部以西から四国、九州、屋久島に分布しています。
樹皮は赤っぽく、杉によく似ていますが、辺材は淡い黄白色、心材は黄褐色~淡い赤色です。木理はまっすぐに揃い、肌目は緻密で、独特の香り、光沢があります。弾力性、靭性(粘り強さ)があるため加工しやすく、耐朽性が高いのが特徴です。
建築では、柱、造作、土台、構造、床板、建具とオールマイティーに利用され、工業用途や家具、木型、桶や曲物にも加工されます。
日本書紀には「杉と楠は舟に、桧は宮殿に、槙は柩に使いなさい」と書かれているといいます。その通り仏閣や神社の建築に多く用いられてきました。
これは、ただ単に丈夫で耐久性があるから、という理由だけでなく「桧の強度は伐採後200年かけてますます強くなり、その後100年間で元の強度に戻っていく」という特性のためです。
現実に、1300年前に建てられた法隆寺や薬師寺の塔は桧でできていて、今もなお、その1300年前の桧を削れば芳香が漂い、十分に使用できる木材であり続けているといいます。その耐久性や保存性は、最高レベルといっても差し支えありません。
桧の良い香りには、気分を落ち着かせる効果、抗菌効果などもあり、桧風呂や酒器としても愛用されてきました。