高級家具材、洋酒樽の材料として有名な国産材のミズナラ
ブナ科の落葉広葉樹「ミズナラ」はオオナラとも呼ばれる陽樹であり、北海道から九州の山の、日当たりが良い緩斜面によく育ちます。厚い樹皮で材に水分が多く、燃えにくいことからミズナラと呼ばれ、山火事の跡地にもよく生育します。
ブナと混生することも多く、立地条件の良い場所にブナが、厳しい環境の場所にミズナラが優勢となる傾向があります。
300年以上の樹齢があり、高さは25m、直径は1.5mほどに達し、ツヤのない緑色の歯は、波打つようなはっきりとした鋸歯が特徴的です。コナラと似ていますが、葉柄がほとんどなく鋸歯が荒く鋭いなど、葉の形状で区別できます。
秋になる実はタンニンを含み、渋くあく抜きには時間がかかります。縄文時代には貴重な保存食とされていましたが、現在ではほとんど食用にはされません。
国産材としては、心材はくすんだ黄褐色を呈し木理が美しく、材は重硬で、加工性、着色性に優れており、建築材や高級家具に利用されます。以前は家具材として欧州に多く輸出されていましたが、近年では国内でも高級家具材として重用されます。
洋酒の熟成樽として高く評価され、特に北海道のミズナラは「道産の樽(ジャパニーズオーク)」と呼ばれて輸出されており、国際的に名を馳せています。そのほかシイタケの原木としても利用されます。