多くの種類がある国産材の松|それぞれの特性を活かした建材に利用します。
国産材の針葉樹として代表的な木材のひとつ「松」には、赤松、黒松、姫小松、脂松(ヤニマツ)、日向松(ヒュウガマツ)、唐松、赤蝦夷松、蝦夷松、椴松(トドマツ)、紅松など様々な種類があり、それぞれに特徴があります。
常緑針葉樹として朝鮮半島や中国大陸、シベリアから日本各地で生育するものがほとんどですが、日本特産の唐松は、本州の中部~東北にかけてのみ見られ、国産材の松では唯一の落葉針葉樹です。
松の特徴としては、樹脂が多いことが挙げられます。古くは焚きつけとして用いられ、現代でもテレピン油やロジン、生薬、香料の材料などとして利用されています。特に脂気の多いものが「脂松」で、美しく明瞭な杢目と飴色の光沢を活かし、床の間の地板として人気があります。
建材としては梁や桁などの構造材、床材、造作材、天井材、建具、家具などに広く用いられます。松の種類によって、硬さや割れやすさ、強度、耐朽性、加工性なども異なるため、それぞれの特性にあった用途に用いることが大切です。
松の木材としての呼称である「パイン材」は欧州赤松を指すことが多く、これに対し北米産のものは「米松」、国産材を「地松」として呼び分けられることがあります。