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尾州桧(ビシュウヒノキ)

日本を代表する美林から産出される希少な国産材・尾州桧

長野県の南西部、木曽川上流の渓谷「木曾谷」に生育する、樹齢300年以上もの天然の桧は「尾州桧(ビシュウヒノキ)」または「木曽桧」と呼ばれます。現在では長野県内であり「信州」に当たりますが、江戸時代にはこの辺りは徳川御三家のひとつ、尾張の領土であったため、尾張の別称である「尾州」の名が冠され、現在でも大工や材木屋では「尾州」という名で呼ばれます。

秋田杉、青森ヒバとともに日本三大美林のひとつである尾州桧。20年毎に行われる伊勢神宮の遷宮の際に使用される御神木としても有名です。木曾谷から産出する桧、サワラ、ヒバ、クロベ、コウヤマキはいずれもとても良質な木材で「木曾の五木」と呼ばれ、手厚い保護の元、厳重に管理されてきました。

尾州桧は、生育が遅く長い年月をかけて育ちます。そのため年輪の幅が細かくつんで、木目がより緻密になります。これが天然の桧の証であり、造林材との違いです。木肌は滑らかで、香気と光沢に富み、美しい表面に仕上がります。加工の際には狂いが少なく、高い強度、耐久性を誇ります。

建材としても最適な尾州桧ですが、近年ではこの木曾谷から切り出される桧に大径木が少なくなり、尾州桧の名に値する木材が減少し、希少材となっています。


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