優れた色合い、強度などが建材に活かされる国産材の紀州杉
深い森林に覆われた和歌山県の紀伊山地は昔から信仰の場として有名で、修験者など遠方からの来訪の多い場所でした。熊野三山や高野山への道が世界遺産に登録されたことをきっかけに、その美しい景色に癒されようと足を運ぶ人も増えていると言われます。
「紀州・木の国」と呼ばれるように豊富な森林資源を持ち、優れた林業地として有名なこの地で算出される国産材に「紀州杉」があります。
その特性は、色合いがよくつやがある、素直な木で狂いが少ない、強度・耐久性に優れている、というものです。特に強度については「粘り強さ」があると評価され、実際に圧縮、引っ張り、曲げ、せん断といったテスト数値を見ても、基準値を上回る数値が得られています。
つやについては、時が経つほど落ち着いた光沢を増し、磨くほどつやが出る木材です。成長の遅い紀州杉が製材に適するのは樹齢50年以上のものであり、そのような杉は品質、耐久性ともに増した状態にあります。
豊かな自然環境で育つ紀州杉は、清々しい香りや美しい木目でのリラックス効果や、調湿性に富み、建材としても利用されています。土台、柱、梁、筋交いで構成される軸組工法で、主要部分に紀州杉を使用すれば、その粘り強い強度が活かされます。木目の美しさを活かした床材、壁材、内装用建材としての使用にも適しています。