効率的で低コストな国産材の人工乾燥とは。
伐採しカットした国産材を高温の乾燥庫に入れ、木材内の水分が移動しやすい状態を作り、湿度等をコントロールして短期間で乾燥させる方法が「人工乾燥」と呼ばれるものです。
木材に合わせて低温、中温、高温が使い分けられ、蒸気式、燻煙式、除湿式などの方式があります。
自然乾燥では半年以上かかる工程ですが、人工乾燥なら1週間~2週間ほどで適度な含水量にまで乾燥させることができ、建材として使用するのに必要な寸法安定性を得ることが出来ます。
生産効率が高くコストを抑えることができるため、現在流通する乾燥材の大部分がこの人工乾燥材です。
デメリットとしては、表面と内部にひずみが生じ、内部に割れが発生しやすいことや色つや、香りが損なわれるという点があります。
建材として使用する際、不具合原因にもなる内部割れを防ぐために、乾燥の際に高温と中温を組み合わせるなど、樹種や木材の状態に合わせた温度管理、乾燥時間の設定を行うことで、割れが少ない木材を製造する努力がなされています。
効率を重視する経済活動としては理想的な方法である人工乾燥ですが、乾燥過程で使用する乾燥庫では石油を燃やして高温を保ちます。
従って二酸化大量を大量に発生させることになり、現代のエコ志向からは問題視されるケースもあるようです。