国産材の自然乾燥の方法とメリット、デメリット。
伐採したあとの国産材には水分が多く含まれているため、建材使用の前に乾燥を施す必要がありますが、木材の乾燥方法には、自然乾燥(天然乾燥)と人工乾燥があります。
自然乾燥とは、整然と木材を並べておき、日陰に干しておく方法で、自然の温度、湿度、風で乾燥させます。必要十分に乾燥させるためには、柱角で半年以上置いておく必要があります。
通常1週間~2週間で乾燥できる人工乾燥に比べると格段に時間がかかりますが、自然乾燥した木材には、人工乾燥では抜けてしまう脂を残すことができ、美しい色つやに仕上がります。
ただし、自然乾燥では外側から徐々に水分が抜けていくため、内部に水分が残りがちになり、寸法安定性を十分に得るのは難しくなります。
自然乾燥のひとつとして「葉枯らし」という言葉を目にしますが、これは木の伐採後、葉をつけたまま数十日間山に放置して、乾燥させる方法です。木の中の水分を、葉から効率的に蒸発させることができます。
放置しておく間に元の半分以下の含水量にまで乾燥させることができ、水分量・養分量が少なくなる冬場に伐採すれば、放置による木の変色や虫につかれるリスクも軽減することが可能です。
元々は、水分を抜くことで軽量化し、丸太を運び出しやすくするための先人の知恵であったようですが、この後の自然乾燥、人工乾燥の前段階の処理としても合理的な方法であるといえます。