紙製品や割り箸を作る国産材の間伐材ってどんなもの?
日本の森林の約4割を占める人工林は、植林後放っておくと木が密集してしまい、木の枝が伸び放題になります。
すると地面まで陽が射さなくなるため、下草が枯れて、木が病害虫に弱くなり、栄養も光も十分に木々に行き渡らず、丈夫な木が育ちにくい環境になってしまいます。
こうして根が細ってしまい、降雨時に水を貯めておくことが出来なくなり、倒木、土砂崩れ、洪水などを引き起こす要因となりかねません。そのまま放置し続ければ、山林全体の生態系が壊れてしまいます。
そこで花や野菜と同様に、密集した林の一部を間伐(間引き)し、丈夫な木が育ちやすい環境を作る必要があるのです。こうして切られた木材は、国産材の中でも「間伐材」(かんばつざい)と呼ばれます。
間伐や山の手入れを行うためには費用が必要ですが、日本の木材自給率は3割を切り、間伐の費用を捻出できない状況もあります。このような状況を打開し、日本の森林を守ると同時に、国産材の供給量を増やすために、間伐材の有効活用が模索されています。
間伐材を利用した紙製品や、割り箸の販売、デザインコンペなどのイベントでの盛り上げなどが企画されています。
自分たちの身近にありながら、実は生かしきれていない国産材たち。例えば「間伐材」という言葉が、より一般的に意識されるようになれば、林業の活性化へも繋がるかもしれません。